愚者の皮:第4回 花はみていた ネタバレ

《 シオンの花言葉の4回 》

カタカタと音を立てて、

パソコンのタイピングをする英馬さん。

そこへ、ドアを開けて入ってきたのは黒髪の女性でした。

何でも介護事務所を経営していた叔母が亡くなり、

途方にくれていたところ、

英馬さんが現れ、

運営の全てをこなしてくれたそうです。

この辺りは、さすが英馬さん、

エリート会社員の能力が生かされていますね。

2人のいる部屋に、黒髪の女性の姉、

茉莉さんが、泣きながら駆け込んできました。

なんと、ヘルパーさんが3人いっぺんに辞めてしまったとのこと。

理由は

「このビルに来るのが嫌だから」

というものでした。

実は、他にも2人

「このビルが、誰かに覗かれているみたいで、気味が悪い」

と言って、辞めていたのです。

きっと、給料がいい他の事業所に示し合わせて移ったのだと、

これからのことを考えて、

絶望する茉莉さんに英馬さんは、

励ましの言葉をかけ、

成功への手助けをすることを約束。

嬉しさのあまり、

英馬さんに抱き着く茉莉さんでしたが、

彼の表情はどこか遠くを眺めていました。

その表情は、ときどき窓の外にあるお花屋さんの

シオンの花の看板を見ながら、

思いにふけるものと同じもの。

それに気づいた黒髪の女性は、

以前英馬さんが話していた

「妻が亡くなった」

という言葉を思い出し、

体はここにあっても、

心は彼の奥さんの亡くなった過去にあるのだと考え、

涙を流すのでした。

「シオン」の花言葉は、「君を忘れない」。

目を閉じて英馬さん思い出すのは、

過去の美しいあよさんでした。

そんなシオンの看板から双眼鏡で覗く怪しい影は、

英馬さんの姿をとらえて離すことはありまん。

数日後、ヘルパー募集の案内を見て、

多くの人が集まり、茉莉さんは大喜び。

事務所には、

シオンの花のいけてあるかなり大きな花瓶が届きました。

日頃からお世話になっている、

英馬さんへの感謝の気持ちをこめた、

姉妹からのプレゼントです。

その花瓶に、気付いた英馬さんは、

花瓶に近づき、過去のあよさんを思っていると、

中から顔を出したのは、現在のあよさん。

これは、英馬さんじゃなくてもびっくりです。

あよさんは、シオンの花言葉には、

「鬼の醜草」

という意味もあることを告げると、

ずっと機会をうかがっていたことを話し始めます。

少しずつ英馬さんに近づき、

昔あよさんに教えてくれた

「シオンの花言葉」にどんな反応を示すのか、

思い出の中の美人のあよさんを思い出させ、

現在醜くなった自分を棄てたという行為を、

彼自身にも、彼の周りにも知らしめることで

復讐しようとしたのです。

事はあよさんの思い通りに進み、

「ブスは社会の害悪だ」

とあよさんに向かって叫ぶ英馬さんの言葉に、

周囲にいた人々の心は離れ、

英馬さんは居場所をなくしてしまうので

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⇒愚者の皮:第5回・顔という臓器

⇒愚者の皮:第3回・憎悪


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