愚者の皮・チガヤ編:第3話 永訣

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《 すれ違いの3回 》

 

自分の髪の毛で

穴の底にあった籠をつなぎ、

外に出ようとする千茅さん。

 

 

高いところに登って

遠くを見ることが好きだった

彼女にとっては、

心を掻き立てる景色は

宝石より貴重で、

生きる糧になるものでした。

 

 

ですから、

こんな穴の底にいることは、

耐えられなかったでしょうし、

また外の景色を見ることは、

彼女にとって頑張れる

理由になってたようです。

 

 

一方、セキさんは、

天候が悪く土砂の下に

埋まってしまっている

村の子供たちを助けようと、

それを阻む大きな大岩を

力いっぱいどかし、

村の人々から感謝を受けていました。

 

 

村人から千茅さんのことを聞かれ、

外には出さないようにしていることを伝えると、

外出を禁じられるのは、

あまりにもかわいそうなことで、

自分たちから見ても

セキさんのことを大切にしているように見え、

 

「奥様はあなたさまに恋しているのです」

 

と言葉をかけられます。

 

 

それを聞いたセキさんは、

まさか千茅さんが

自分に恋してくれていたとは思いもよらず、

今まで自分が考えていたことが、

間違いだったと気づき、

彼女のもとに走るのでした。

 

 

千茅さんは、

ようやく縦穴の出口の前まで

たどり着いていましたが、

登るために台にしていた鳥かごは崩れ、

命綱は壁に打ち付けた鍬のみ。

 

 

両手で鍬をもって

体をささえていますが、

次第に体の感覚がなくなっていきます。

 

今、セキさんに助けを求めたら、

また同じことの繰り返し。

 

セキさんのどこか自分に似た

純粋さが好きだったと思いながら、

ついに力尽き鍬から手が離れました。

 

ここで、セキさんに登場してほしい!

と心から思ったのですが、時すでに遅し、

セキさんが到着すると、

折れた鳥かごの格子が

顔に突き刺さった

千茅さんが倒れていたのです。

 

⇒まんが王国


⇒愚者の皮・チガヤ編:第4話 偽りの献身

⇒愚者の皮・チガヤ編:第2話 妻籠


 

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